相続開始後に親の入っていた生命保険を調べる方法

⑴　生命保険に関する情報が無いと、保険金を受け取れない

生命保険金は、被保険者が死亡したという事由に対して支払われるものです。

そのため、当然ですが、その性質上、被保険者自身は保険金の支払請求の手続きをすることができません。

生命保険金は、保険金の受取人とされている人が保険会社に対して請求をすることになりますが、亡くなられた方（被相続人）が生命保険に入っていたこと自体がわからなければ、そもそも保険金の請求は不可能であるという問題があります。

また、仮に生命保険に加入していたことや、加入先の生命保険会社がわかっていたとしても、保険金の受取人が保険金を請求するには、証券番号や保険金受取人の氏名、連絡先などの情報を保険会社に伝える必要があります。

そのため、生命保険に入っていること自体はわかっても、詳しい情報がわからなければ、保険金の請求は困難になります。

⑵　生命保険金の請求権には時効がある

さらに厄介な問題があります。

生命保険金は、保険会社に請求することで受け取れる金銭です。

つまり、生命保険金を請求できる権利は、法的には金銭債権になりますので、消滅時効があります。

消滅時効となる期間は生命保険会社が各自契約で決めていることが多いのですが、その期間を超えてしまうと、生命保険を受け取ることができなくなってしまいます。

上述の通り、亡くなられた方（被相続人）が入っていた生命保険について、詳細な情報がわからないと、受取人（相続人であることが多い）の方は大きな不利益を被ることがあります。

それにもかかわらず、亡くなられた方が入っていた生命保険についての詳細な情報を簡単に調べる方法はありません。

基本的には地道に遺品整理をして調査をするか、または生命保険協会を通して専門的な手続きを踏まえて調査しなければならないのが現状です。

参考リンク：生命保険協会・生命保険契約照会制度のご案内

亡くなられた方の生命保険に関する情報を調べる第一歩は、遺品整理です。

亡くなった方が生命保険に入っていた場合、通常は「保険証券」や「生命保険料控除証明書」などの書類が存在します。

また、封書や圧着ハガキなどで、加入状況等について定期的なレポートが送られていることもあります。

亡くなった方が生前住んでいた家や、職場などにあることが多いので、遺品整理の際にしっかりと探してみる必要があります。

どうしても書類が見つからない場合（引っ越しや掃除などのタイミングで紛失してしまっている可能性もあります）は、亡くなった方の銀行の通帳を確認します。

引き落としの履歴の中に、保険会社の名前と思しき名義がある場合、それは保険料の支払いであることが考えられます。

そこで、その保険会社へ問い合わせをします。

保険証券等の書類が見つからず、通帳の履歴からもわからない場合、遺品の中に保険会社からの郵送物や、保険会社の名前が入った小物（タオルやカレンダーなど）がないかを調べます。

もしそのようなものが見つかったら、保険会社へ問い合わせることができます。

遺品整理などによって亡くなった親が入っていた生命保険の保険会社の目星がついたら、相続人との続柄を証明する戸籍謄本や故人の死亡の記載のある戸籍謄本、窓口に行く方の身分証明書などを揃えます。

これは、問い合わせをした人が本当に相続人であるかを保険会社に示すために必要となります。

具体的にどのような書類、資料が必要であるかは、保険会社毎に異なることもありますので、電話などで各々確認します。

必要なものを揃えたら、保険会社の窓口で問い合わせをすることで、亡くなられた親の生命保険契約の有無を確認することができます。

死亡保険金を請求する際には、死亡届または死体検案書の写しが必要になることも多いですので、手元に用意しておきましょう。

亡くなられた方が入っていた生命保険を調べるには、時間と労力が必要なだけでなく、専門的なノウハウが必要です。

そして、生命保険会社に対して、亡くなられた方の生命保険契約の有無を問い合わせる際に必要な書類、資料の収集にも専門的な知識が求められることがあります。

また、生命保険契約が存在している場合、これに付随した法的な問題の存在が明らかになることもあります。

私たちは、相続を集中的に取り扱う専門家がノウハウを共有しつつ、最適な問題解決の検討にあたっています。

亡くなった方が生命保険に入っていたのかどうかわからない、遺品の中から亡くなった方の入っていた生命保険会社を調べることができるのか、どうやって保険会社に問い合わせをしたらよいのかなど、多くの疑問、不安について相談に乗り、ご納得いただけるまで回答し、サポートいたします。

柏で相続でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。